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妖しすぎる。クレイジーで、アンビエントで、ミステリアスな超サイケデリックなナンバーで、さっきまでBase Ball Bearの爽やかな余韻に浸っていたLAKEにいきなり不穏な空気を走らせた髭。曲の正体は、先月、ひとつのアルバムとしてリリースされた1曲 “Electric”のノイズ・バージョンだったわけだが、そんなことは関係ない。彼らの、けばけばしいと思えるほどフリーキーに装飾されたロックンロールは、この3日間どころか、これまでまったく聴いたことない類稀なもの。マジでかっこいい。そして奇怪。そもそも、ウサギがキーボードを弾いている。まるで江戸川乱歩が物語る『不思議の国のアリス』かのように、ポップであると同時に猥雑な彼らのセットは、しかし“白い薔薇が白い薔薇であるように”、“ロックンロールと五人の囚人”など人気チューンで彩られていて、大トリの“裏”としては確実に機能している。気だるいギターがあまりにも気持ち良い“サマータイム・ブルース”、須藤のテンションが一段とエグさを増した“黒にそめろ”、ポップなグルーヴで感覚のヴォルテージをまた一段と上昇させた“溺れる猿が藁をもつかむ”、延々とリピートされた「そんなの関係ない」というフレーズを、バンド渾身のメッセージと仕立てたサイケデリック・アンセム “ダーティな世界”、そして危なしい静寂な世界が描かれた“1mg”。唯一無比のロックンロールを傍若無人に展開していく様子には、もはや感動さえも覚える。終盤になって「ぼくが須藤だよ」と自己紹介して、一旦、バンドとともにステージをおりた須藤だが、今度は水鉄砲を持って登場。“寄生虫?ベイビー? ゴー!”の陽気なグルーヴで最後にLAKEを盛り上げる。マジでカッコいい。(内田亮)

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