5月14日(金)

 先日何件かBBSに「行きました」という書き込みもいただきましたが、去る5月9日日曜日、茨城県ひたちなか市国営ひたち海浜公園水のステージ、ロック・イン・ジャパン・フェスで言うところのレイク・ステージにて、「TEENS ROCK IN HITACHINAKA」が行われました。「社団法人ひたちなか青年会議所」が主催となって全国の10代のバンドに呼びかけ、ビデオ審査の末選ばれた10組がこの日優勝を競う、というイベントです。弊社フェス事業部総勢4名も、揃って行ってきました。というか、ポスターなんかのスタッフクレジットの「協力」のところにロック・イン・ジャパン・フェスの主催であるニッポン放送と、我々ロック・イン・ジャパン・フェス2004事務局の名前が入っているのですが、そのニッポン放送のロック・イン・ジャパン担当村田くんと私は、審査員として参加したのでした。審査員なんて偉そうなことやってもいいのかと不安になりながらも、日頃お世話になっているひたちなかの方々にいただいた依頼だし、一応つい最近まで音楽雑誌ロッキング・オン・ジャパンの編集部で長年仕事をしてきたんだからまあ許されるだろうと思って引き受けたのですが、びっくり。予選を勝ち抜いてきたバンドだからかもしれないけど、すごい、今の高校生は。ロックンロール、スカ、ヘヴィ・ロックなどなど、いずれも「ああ、アメリカのあのあたりのバンド好きなんだろうな」「ビデオを一生懸命観てステージ・アクション研究してるんだろうな」と思わせるようなお手本への忠実さがほほえましかったのが、まあ高校生らしいっちゃ高校生らしい唯一のところ。で、そこ以外はまったく10代とは思えない。あたりまえのように自分達で曲書いて、アレンジして、演奏して、ただ演奏するだけじゃなくステージ・アクションとか曲のヤマ場での観せ方とかまでちゃんと考えられていて、もうなんか、自分が高校生バンドをやっていた頃とは雲泥の差。そのまんま渋谷や下北沢のライヴハウスの夜のブッキングに入ってて何の違和感もないバンドばっかり。優秀賞2組、審査員特別賞1組、最優秀賞1組を選んだのですが、賞あげたいバンド他にもいっぱいいてなかなかに断腸の思いでした。
 優秀賞は、まずNew Summer Orangeという黒スーツ6人編成のスカ・バンド。かっこよかったし上手かった! 音がパーンと出た瞬間に「おっ!」と身を乗り出したくなるようなインパクトがありました。もう1組は、N(ワープロだと出ないけど、正しくはこの「N」の字を鏡に写したみたいに左右ひっくり返したのがバンド名です)というヘヴィ・ロック・バンド。この日3組いたヘヴィ・ロック/ラウド・ロック・バンドの中で最も幼い顔をしながら最もドスの効いた音を出してました。審査員特別賞は、unlucky childrenという埼玉在住・高知在住・大阪在住の3人からなる3ピース・バンド(元々は高知だとMCで言っていたので、たぶん進学で分かれたんだと思う)。英語で歌うバンドの方が多かったんだけど、フォークっぽい曲調、シンプルなアレンジ、皮肉に満ちてて青い歌詞が、この日異彩を放ってました。全バンド中最も言葉を大事にしてる感じがよかった。「ロッキング・オン・ジャパン読んでそうだな」という感じがしたのは、このバンドと、最後に演奏したピンクレモネードという新潟のバンド(フラカンとかホームシックスとかインビシとか、そういう感じの轟音絶叫バンド)の二つでした。
 で、最優秀賞。「REAL男’S」という2MC1DJのヒップホップ・グループで、「リアルダンス」と読むのかと思ったら「リアルオトコズ」と読むそうで、そのあまりの言いにくさ及び語呂の悪さに全然期待してなかったのですが……他のバンド達もよかったんだけど、レベルが違う。びっくり。地元のグループらしいけど、10代にしてはという以前に「ヘタなプロには余裕で勝ってる」レベル、日々プロのロック・バンドやヒップホップ・グループのライヴを見慣れている目で観ても、すごい。何でまだメジャー・デビューしていないのかわからない。二人ともラップ上手いし、しかも「○○風」じゃなくてそれぞれ自分のスタイル持ってるし、DJもトラックやたらわかりやすい上にセンスいいし。ほんと、エントリー側じゃなくてゲスト・バンドかと思った。CD欲しい。

 なお、ゲスト・バンドもそれぞれよかったです。さすが高校生バンドとは違う疾走感を見せつけてくれたBIG HAND SHAPE、ノリが硬かったフロアを最後には大爆発に持って行った地元水戸の雄LUNCH TIME SPEAX、ベスト盤みたいな選曲(byテッキン)で死ぬほど盛り上げ、オチのないMCでフロアを戸惑わせた(これもbyテッキン)HUSKING BEE。みなさまおつかれさまでした。なお、写真はライヴ終了後に、出演バンドのメンバー達にサイン攻めに合い、一人一人丁寧に応じてあげているハスキンいっそんの姿です。

 出演アーティスト第二弾発表は、5月20日です。その前に、5月15日(土)渋谷AXにてJAPAN CIRCUITです。ランクヘッド、ジャクソン・ヴァイブ、ロスト・イン・タイム、ゴーイング・アンダー・グラウンドというすばらしいメンツが出演してくれます!(詳細はJAPAN CIRCUITのHPをご覧ください)みなさんのお越しをお待ちしています! 
(ロック・イン・ジャパン・フェス2004事務局 兵庫慎司)