先の8月13日(日)ひたち海浜公園に於いて開催いたしました、「ROCK
IN JAPAN FESTIVAL 2000」は台風の影響で、AJICO、中村一義の演奏を残して終了せざるを得ませんでした。当日ご来場のお客様には御迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
アーティスト、関係各位と協議の結果、以下の事を決めさせていただきました。
8月13日(日)のリストバンド、もしくはチケットを郵送下さった方に、中村一義のライブリハーサル音源(1曲)を収めたカセット。AJICOのメッセージカードを送らせていただきます。
お知らせ 8月13日のリストバンド及びチケットの受付は10月31日(消印有効)で締め切らせて頂きました。ご応募、ご協力頂いたみなさま、誠にありがとうございます。カセット&メッセージカードにリストバンド及びチケットを同封してお手元に発送させて頂きますので、もうしばらくお待ち下さい。
ROCK IN
JAPAN FESTIVAL 2000事務局
今後の対応について
いろいろな可能性を検討した結果、このような結論になりました。こうしたものに正解はないですし、まして誰もが納得できるアフターフォローというものもありません。いろいろな人がいろいろな感情や不満を持つでしょうが、それはイヴェントのオーガナイザーとして甘受するつもりです。実はこのメッセージ・ボードで皆さんが書いているように、我々も振り替えライヴといったことも考えました。しかし交渉して感じたのは、アーティストにとってのライヴは、その空間が持つ必然の中にあるもので、それは決して他の空間や時間の中にはないということです。単独公演ならともかくフェスティバルというのはその一回きりの時間と空間の中にしかないのです。少々、自分勝手なきれい事を言えば、演奏できなかったという欠落感を共有する事もフェスティバルなのだ、と学ばされました。言うまでもない事ですが、一番無念なのはアーティストなのだから、これ以上甘えてはいけないと断念しました。とはいっても、結局は中村くんとAJICOの好意に甘えてのアフターフォローになりました。リハーサルの音源というレア・アイテムは普通、ファンクラブにも出さないような貴重なものですし、正規の音源のないAJICOもカードとメッセージという形で可能な限りの協力をもらいました。本当に感謝します。
今回の事では多くの人と相談し、アドバイスをもらいました。無論、このメッセージ・ボードにも全て目を通し、参加して下さった皆さんがどう考えているかも認識しました。そして自分たちに何が足りなくてこうした事になったかも反省しました。そして、我々が出来る事は来年もフェスを実行し、よりよいものにしていくことしかないと、改めて決意しました。
開き直るわけではありませんが、来年も台風が来れば、今度は半分でフェスは終了してしまうかもしれません。それは野外で行うフェスの宿命です。それでもフェスは素晴らしいのだし、それを素晴らしいと思う人が作っていくものなのです。僕らは、そうしたフェスの価値観を提示したくてフェスを作ったのですが、実はその覚悟が十分に出来ていなかったのです。それが最大の反省点です。
FUJIにしろEZOにしろ、そのフェスティバルそのもののファンの人がフェスを支えています。このROCK IN JAPAN
FESもどれだけそうしたファンを作っていけるかで、これからが決まっていくでしょう。
今年、最低だと思った人はもう来年は来てくれないでしょう。そうならないよう僕らは努力していかなければなりません。
幸いな事に、参加して下さったアーティストの多くが来年、もしROCK IN JAPAN FESが行われるなら協力したいといって下さっています。もちろん、演奏が叶わなかったUA、浅井健一、中村一義にも改めてアプローチをはかっていきます。そうした期待に応える為にも我々はこれから一年かけて次のステップに向かって歩いていきたいと思います。
(渋谷陽一'00.8.30)
ROCK IN JAPAN FES.2000についてのお詫び
13日に行なわれたロック・イン・ジャパン・フェスティヴァル2000では、台風の強風によるステージ損傷の為、AJICO、中村一義の演奏を残したままフェスティヴァルを終わらせざるを得ず、来ていただいた皆さん、アーティストにご迷惑をかけたことをお詫びいたします。私達としてはこの事を深く反省し、次の機会への重い教訓としたいと考えています。
今回のフェスティヴァルは私達にとって、自分達が主体となって開催する初めての大きなイヴェントでした。そうした初めてのフェスティヴァルにもかかわらず、多くのアーティストの参加を得、何よりも2日間で6万人近いお客さんに来ていただいて、大変感謝しています。にもかかわらず、そうした期待を裏切る結果になってしまい本当に申し訳ないと思います。期待の大きさは、それに応えられない場合、大きな失望につながるのだ、という事を今回は身をもって学びました。正直、今回のフェスティヴァルに関して反省すべき点はたくさんあります。すでにこのホームページ上でも厳しい御指摘が書き込まれ、どれも正面から受けとめ改善していくべきものだと考えています。
僕はフェスの期間中、ずっと会場の回りをグルグル歩いていました。そこで見ることができたのは、本当に素晴らしい参加者の皆さんの姿でした。マナーの良さ、演奏を楽しむ姿勢、回りのお客さんに対する気遣い、どれもイヴェントのオーガナイザーとして誇らしい気分になるものでした。書き込みにもあるように、モッシュ・ピット内など、マナー上の問題を持ったお客さんも居ました。しかしそれはごく一部の人達であり、これからはそうしたお客さんに対して私達が何ができるかを考えていけば変わっていくものだと思います。
ある人にお客さんのマナーが良すぎて気味が悪い、おとなしすぎると言われました。僕は全くそうは思いません。皆さんのマナーの良さと、秩序ある行動を支えていたのが皆さんの知性であるという確信があるからです。そして皆さんは決しておとなしくはありませんでした。初日のヒップホップ、ロックにかかわらず楽しみ、惜しみない拍手を送る熱いエネルギーは、とても気持ちのいいものでした。また2日目も次から次へステージに登場するビッグ・アーティストに対し、ほとんどのお客さんが手を振り、拍手をし、歓声を送る態度は、フェスティヴァルを観る姿勢としては理想的なものです。僕は本当に自分の雑誌の読者、そしてフェスの参加者が、こうした優れて知性的な人達であることに誇りを感じたし、個人的にも実に人生の大きな体験とも言える2日間を過ごすことができました。しかしイヴェントのオーガナイザーとしてはこうした参加者の皆さんに向き合うには資格不足であることを今回は思い知りました。また皆さんが私達にチャンスをくれるなら、しっかりと今回の事の反省を踏まえた次のステップをお見せしたいと思います。その為にも今回の事後処理にも全力で向かいたいと思います。 現在、主催者のニッポン放送とも協議しつつ、方法を検討しています。8月中に朝日新聞の紙面にて発表しますので、それをお待ち下さい。それまではリストバンドを持っていて下さい。腕からはずしては駄目ですか、という書き込みもありましたが、はずしていただいて結構ですので、リストバンドだけ大切に保存しておいて下さい。本当に今回の事は申し訳ありませんでした。
(渋谷陽一'00.8.14)
8月12日、13日に行なわれたROCK
IN JAPAN FESTIVAL 2000にお越しくださったみなさん、本当にどうもありがとうございました。12日は無事終了することが出来ましたが、13日は台風による天候不良により続行不可能と判断し、AJICOと中村一義、両アーティストのライヴを残して終了せざるをえなくなってしまいました。ロック・フェスティバルというものは、そのフェスに関わっている全ての要素が重なって幸福感を醸し出すものだと思います。ですので、ニ日目の途中終了という事態は今回のフェス全体を総括する大きな問題だと受け留めています。本当に申し訳ありませんでした。
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2000で我々は、日本のロックを加速させる素晴らしいアーティストとそれを支えるオーディエンスが一体となって、その存在を祝福し合える空間と実感作りに励んできました。それは雑誌メディアとしてロックの前進に関わり続けた我々の、全く新しい挑戦でした。ロック・ジャーナリズムに携わる一員として、多くのライヴやフェスに接してきた我々が発案するフェス。そして雑誌を通じて我々とコミュニケイションを図ってくれたみなさんを中心とした、新しいロックの現場作り。その目標に向かってここまでやって来ました。一日目を行なっている時点でのみなさんの歓喜に溢れた表情と、ロックに身を任す躍動と、バリア・フリーな素晴らしいパフォーマンスを実感しながら、確かな手応えを感じていました。
しかし、特に二日目に、多くの問題が山積していることに気付かされました。整理不備による入場ゲートを前にした長蛇の列。台風のせいとはいえ、結果的に当日のコンディションに対応しきれなかった、ステージや音響システム――――それが原因となってステージの天井の幕が剥がれ、激しい雨がステージに降りつけ、モニターを中心とした機材破損が相次ぎ、サウンドの品質問題までが生じ、何よりもアーティストのパフォーマンスに支障をきたし、みなさんに不安と落胆を与えてしまいました。ステージの向き等々にもさらなる検討が必要だった可能性があります。モッシュ・ピットというステージ最前だけにあるスペースの管理にも問題があったと実感しています。このようなことを全て含めた上で、次への検討課題とさせていただきます。
みなさんは、それぞれの過ごし方で頑張ってくれていました。頑張って楽しみと喜びを感じようとしていました。その姿こそが我々の一番の支えでした。しかし、多くの課題が残りました。今後の教訓にすると共に、もう一度今回のROCK
IN JAPAN FESTIVAL 2000を見詰め直してロックとフェスについて考えたいと思います。
最後に。二日目にお越しくださったみなさんは、当日配布されたリスト・バンド、もしくはチケットを無くさないで保管しておいてください。8月下旬までに朝日新聞、ロッキング・オンのホーム・ページにて今後の対応策をご案内させていただきます。よろしくお願いします。
日本のロックと日本のフェスティバルの現在を伝えるためではなく、それらを新しくもさらなる高みへ導く為に我々はROCK IN
JAPAN FESTIVALを立ち上げました。今まで知らなかった、そして感じたことがなかった、ロックと自分の存在を祝福する場を目指して開催しました。にも拘わらず、みなさんに多くの問題と混乱と不満を残させたことは、オーガナイズした身として大いなる責任を感じています。それらのことをもう一度熟考しながら、次号の特集で伝えたいと思っています。
悪天候の中で素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれたアーティストのみなさん、それぞれの大きな目的を持ってライヴに向かわんとしながらステージに立ってもらうことが出来なかったAJICOと中村一義くん、そして途中終了まで本当に頑張って参加し続けてくれたみなさんに心からお詫び申し上げます。
(鹿野 淳'00.8.16)
主催:ニッポン放送 企画:ロッキング・オン 制作:SMASH/HOT STUFF PROMOTION 後援:ひたちなか市:国営ひたち海浜公園 協力:茨城放送/JAPAN COUNT DOWN
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