QUICK REPORT
2007.08.05




今か今かと待ちきれない観客たちが手拍子を送るなか、拍手をしながらKenが登場したのを見ただけで会場の期待がはちきれんばかりに膨らむのがわかる。“Cherry Blossoms”のメロウなリフが一転、激しいサウンドで会場が揺れる。コリン(G)の爆笑MCや「めちゃくちゃ楽しいな」というサージ(B)の言葉に会場がいっせいに起こる「サージ!」コール。メンバーが喋る一言一言にも思い思いの言葉を投げ返すオーディエンスという光景は、これが何万人規模のフェスのステージではなくどこかのライヴハウスのようだ。KEN BANDがどこでやろうとも、このお互いの汗の一粒まで見えてきそうな距離感は驚異的。そこから“Ricky Punks”、“Pressure”とどんどんと加速度を増すKEN BAND。さらっとこなしてるように見える4人のプレイだけど、そこから放たれた音はとんでもなく重厚感があり、それでいて寸分の狂いもない。ビートのひとつひとつがまっすぐに観客の心臓めがけて飛んでくるようなジャストミート感を出せるパンク・バンド、他に今どれくらいいるだろう? 「雨降る前にやろうぜ!」と言って始まった“Summer Of ‘99”、“Ten Years From Now”、“How Many More Times”、“Can't Take My Eyes Off Of You”、“Believer”という文句なしの鉄壁の流れで一気に駆け抜けた50分のステージ。その間ずっと会場中の拳が空に向って突き上げられ、踊り狂い、歌いまくり、体温は下がる気配も見せず、Kenへの歓声は止むことがなかった。(林敦子)