“上を向いて歩こう”の歌とも叫びともつかぬ山口の声。いつもはちきれんばかりのテンションのサンボマスターだが、それにしても今日はのっけから完全にメーターが振り切れていた。広島に原爆の落ちた8月6日に45000人の前で愛と平和を歌うこと、そういう原理原則に実直に向き合わずにはいられないのがこのバンドだ。“青春狂騒曲”“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”“そのぬくもりに用がある”といった代表曲を披露していくなかでも、ずっとそのテーマを山口は叫んでいた。本人の言っていた「今日は言ってもいいんじゃないですか、これは伝説のライヴなんじゃないですか!?」という言葉がすべてを物語っていた。(古川琢也)