17:30 OTはKING! 圧巻のタミオ弾き語り!!
8/2 20:00 UP
観れなかった人は申し訳ありません! 満員御礼で入場を規制せざるを得なかったほどに、レイク・ステージはたくさんのお客さんでいっぱいでした。これは、タミオさん本人の人気もさることながら、発表されたラインアップに書かれた「弾き語り」の文字。これに心を動かされた人の多さを物語っているのだとも俺は思う。「奥田民生弾き語り」と聞いて思い出すのは、まず、「タミオ流ライヴの、最高到達点のひとつ」と今でも語られてやまない「ひとり股旅」ツアーになるだろう。「ひとり股旅」の素晴らしさ、つまり「タミオの弾き語り」の素晴らしさは、タミオが今まで数多くこしらえてきた名曲の数々の、本当の素の姿というものが次々とあらわになっていくところにあるのだ。そして「曲の生の姿を見せるというのはちょっと恥ずかしい」という照れ隠しから始まるタミオ・ギャグもまた魅力、なのである。
“ルパン三世のテーマ”からスタート。これは民生の声が原曲の声に似ている、というところから始まったカヴァー曲だけれど、何回聴いても本当に似てるし、「タミオのいい曲」として聴こえてしまうのだなあ……そんな感慨に包まれていると終了。終わった後タミオが一言。「新曲でスタート!」。お客さんは爆笑である。
 ギターをかき鳴らしながら、自分も口をヘの字にして「じゃ~ん」と言うタミオ。「あ、ふざけてる」と思わせといて「イエーイ!!!!」。一気に会場がロック・モードに変わる。本当に、この人のシャウトはミラクルだ。どんなにふざけていても、どんなに「軽く笑えるユーモア」をボソボソと喋っていても、その後には、「オウッ!」とか「イエイ!」とかで一発でロック・モードになるのだ。そして披露されたのは“これは歌だ”。続いて“イージュー☆ライダー”。これだけでも感涙モノなんだけれど、まだまだこんなものじゃなかったのだ。
「古いっ!」というMCで披露されたのは“家”。ユニコーン時代のアルバム『ヒゲとボイン』からの曲である。とても懐かしくて涙が出そうになるけれど、聴いているうちに懐かしくさがすうっと消えていくのだ。タミオの名曲は不滅の名曲なのだ。でもこれではとまらない。さらに「古いっ!」曲も披露されたのだ。
“働く男”である。『ヒゲとボイン』よりもさらに前、『ケダモノの嵐』中の屈指の名曲である。曲構成が複雑であるのにもかかわらず、決してキャッチーなメロを使い倒しているわけでもないのに、ポップ・ソングとして完璧に成立していた曲だったので、当時、評論家もリスナーも大絶賛した曲だった。自分の曲にはわりとそっけない態度を取るタミオ本人も「これはよく出来た曲」と当時のインタヴューで言っていたほどの名曲なのだ。タミオ本人も、実際弾き語りしながら「いい曲だ! 名曲だ!」と叫んで会場を笑わせていたが、いや、これは本当にいい曲で、名曲である。
本編ラストは“さすらい”。「さすらおう この世界中を」というサビでは空を見上げたくなってくる。見上げるとサビが夕焼けに溶けていくような感じがして切なくなる。そんな曲をみんながこの曲に聴きいっている。そしてそんな曲を、歌っている本人はあくまで淡々と歌い続ける。「そっけないのに、豊かで、熱い」――そんな光景を描けるのは、やはりタミオだけだと思う。
 アンコールの声に再び登場したタミオ。ぼそっと言う。「時間が余った」。そのおかしみと素直な嬉しさで、観客がどっと湧く。そして“奥田民生 愛のテーマ”、間髪いれずに“トロフィー”。去年に引き続き、タミオさんは本当に素晴らしいライヴをやってくれたと思う。また、やってほしいと心から願います。この会場にいるみんなが思ったことだろうから。ずっとずっと、タミオの弾き語りを聴き続けていたい、と。(柳憲一郎)
満員御礼でした!

O.P.KINGのTシャツが光ります。
「“働く男”、最高でした!」


日程――2003年8月1日(金)、2日(土)、3日(日)
時間――開場9:00 開演11:00 終演20:30(各日共予定)*雨天決行(荒天の場合は中止)
会場――茨城県ひたちなか市国営ひたち海浜公園
お問合せ――ROCK IN JAPAN FESTIVAL事務局
0180-993-611(24時間テープ対応、PHS不可)
ロック・イン・ジャパン・フェスティバルのWEBサイトは、PC、携帯どちらもhttp://www.rijfes.co.jp/