18:04 TRICERATOPS、キーワードは「リフ」!!
8/1 19:30 UP

予定よりおよそ30分遅れてスタートしたトライセラトップスのライヴは、《新しい世界へ今こそ飛んでいくのさ》とさらりと潔く決意表明する“NEW WORLD”で幕開けた。スウィング感が心地よいシンプルで乾いたカッコイイ曲だ。2曲目の“Sir Duke”も、遊び心溢れるアンサンブルをメンバー3人で顔を見合わせ笑みを交わし合いながら編み上げ、唸らせる。あたりは暗くなり始め、ステージのシンプルな赤の照明がお客さんの顔を照らす。もうそんな時間になったんだなあ、と一日の過ぎる速さに驚いてしまう。演奏は肩の力が抜けて軽やか、メンバー3人の表情も実に穏やかで、今彼らがとてもよいコンディションでロックに向き合っていることが伝わってくる。若々しさはそのまま保ちながら、静かに着実に大人になっていくトライセラ。霧雨と風で肌寒いけれど、湿気を含んだ空気が落ち着いたトライセラにぴったりだなあ、などと思いながら観ていたのだが……私はあの男のことを甘く見ていたようである。そう。和田唱である。今日の彼のスパークぶりにはもう、感服!
概要をお伝えしよう。和田唱は、なんとMCで「リフ講座」を始めたのである。次に演奏する新曲“夜のストレンジャー”はシンプルなリフものである、という発言をした後、「ロック・ファンならおぼえといて!」とまず軽くお客さんを叱責。「リフとは、リフレインの略であり、日本の曲はリフよりコード進行でできてる曲が多く、自分はリフをつかった曲をやろうと高校生ぐらいのときにピーンと来た」という「リフと自分との出会いと歴史」を開陳しつつの実に丁寧な説明、ローリング・ストーンズの“Satisfaction”を3人で演奏して他のコード進行の曲との違いを示すなど、3分以上に及ぶレクチャーが行なわれたのである! いったい……。そんな天然のサービス精神てんこ盛り男=和田唱の手振り身振りを交えたパフォーマンスに、ドラム吉田&ベース林の2人も絡んで音を出し、お客さんも温かく見守り、実にピースフルで微笑ましい時間がレイクステージには流れていた。しかし、相変わらずの和田のキュートネスには心底笑った!
もちろん笑わせるだけではなく、しっかりと聴かせてもくれたのは言うまでもない。“GROOVE WALK”や“Raspberry” などお馴染みのヒット・チューンで会場を湧かせつつ、シックで抑制的なファンクネスをリフに垣間見せる新曲も聴かせ、彼らの「これまで」と「これから」を橋渡しするような意義も感じる、凝縮されたライヴだった。(大前多恵)
会場にも夕闇が段々と・・・・・・。

熱狂的トライセラファンのお2人。
「まみれまみれの汗ダラダラでした」


日程――2003年8月1日(金)、2日(土)、3日(日)
時間――開場9:00 開演11:00 終演20:30(各日共予定)*雨天決行(荒天の場合は中止)
会場――茨城県ひたちなか市国営ひたち海浜公園
お問合せ――ROCK IN JAPAN FESTIVAL事務局
0180-993-611(24時間テープ対応、PHS不可)
ロック・イン・ジャパン・フェスティバルのWEBサイトは、PC、携帯どちらもhttp://www.rijfes.co.jp/