2年連続参戦のケツメイシ!
夕闇まえのグラス・ステージをピースフルに包みこむ

8/2 20:00 UP
オレンジ色の太陽がやわらかに発光しながらステージ後方に沈みはじめた17時40分。本日の入場者数は昨日の41,000人を上回る42,000人! 4年目にしてこんなにもたくさんの人に愛されるフェスになったこと、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。みんなありがとう。後半戦もめいっぱい楽しんでいってください。
涼しい風が肌を撫でていく中でステージに立ったのは2年連続出場となるケツメイシ。“はじまりの合図”で幕を開けたライヴは、2曲目で早くも先日ドロップされたばかりの今年のサマー・チューン“夏の思い出”へ。誰の心にも散らばる甘く切ない夏の記憶をひとつひとつ丁寧に拾い集めたようなちょっぴりセンチメンタルなアンセムがグラス・ステージに響く。
が、次の瞬間、RyoのMCで空気は一変。いきなり「はい、ひたちなかのマ○○ちゃん、チ○○ちゃん」……。そしてそのまま話題は昨晩出演したミュージックステーションに流れこみ、「いや~、島谷ひとみの後ろでブラの線を確認しつつ、下のマイクをびしょ濡れに(割愛)」…………。失笑するオーディエンスを前に「いまの発言は全部忘れてください」(たぶん私は一生忘れられない)の言葉を残して“わすれもの”へ。Ryojiがしっとりと歌い上げるこのナンバー、しかしRyoji自ら突然音を止める。「やってしまった。この大舞台でやってしまった。毎晩練習してきたのに、やってしまった」……どうやら詞を忘れたらしい……。気をとりなおしてリスタート。何事もなかったかのように陶酔した表情で再び歌いはじめるRyoji。切なくのびやかな声が心地よく響く。そして次にスピンされた本日初披露という新曲は、「Go Everybody! Go Everybody!」のシャウトにあわせて拳を上げるパーティ・チューン! だがタイトルは“痔持ち一代”……このバランス感覚がケツメイシである。
後半戦は「残り3曲はゆっくりとやらしてもらいます」の言葉通りの穏やかなパーティ・タイムに。“手紙~未来”“花鳥風月”“トモダチ”というヒット・ナンバーに身を任せ、吹きぬける風を感じながらまったりと気持ちよさそうに手を振るオーディエンス。4人のやさしくあたたかなパフォーマンスが暑さに疲れたカラダを包みこんでいく。重すぎず軽すぎず、高級マッサージチェアみたいな絶妙の塩梅でカラダをアタックするビートがなんとも言えず気持ちいい。ラジカルなライムとビートで風景を斬っていく欧米のヒップホップと違い、ケツメイシのヒップホップは私たちの心のひだをやさしくなぞり、紐解いていくような不思議なあたたかさがある。愛する人の笑顔とあたたかいごはんの香りに包まれるような、帰り道に仲間とくだらないおしゃべりをしながら笑い合うような、そういう何気ないけどとても幸せでピースフルな原風景。ケツメイシの魅力は、そんな感覚をさり気なく差し出し、思い出させてくれるところにある。熱く燃え上がった一日が夕闇に沈むまえの、一瞬のおだやかな時間。ケツメイシのおかげで心身ともにリフレッシュできた、とても穏やかで幸福なステージだった。(有泉智子)
「ドラゴンアッシュが好きで今日だけ観に来ました。
あ、私、目つぶってる (笑)」by右端の女の子

家族4人でやって来た氣志團のファン、地元より。


日程――2003年8月1日(金)、2日(土)、3日(日)
時間――開場9:00 開演11:00 終演20:30(各日共予定)*雨天決行(荒天の場合は中止)
会場――茨城県ひたちなか市国営ひたち海浜公園
お問合せ――ROCK IN JAPAN FESTIVAL事務局
0180-993-611(24時間テープ対応、PHS不可)
ロック・イン・ジャパン・フェスティバルのWEBサイトは、PC、携帯どちらもhttp://www.rijfes.co.jp/